ではSTサスペンションのシリーズについてご紹介していきます。
先のブログで書いたようにSTの車高調機能付きサスペンションキットのラインアップは現在4種類あります。
まずはST-Xからですが、これは減衰力は固定式の調整機能無しのサスペンションキットです。
これはSTのエントリーモデルとなりますが、車高調整機能が付いているだけで、ベーシックなダウンサスペンションキットと思ってください。純正のアッパーマウントを使用して装着します。ただし、減衰力はシミュレーター使用して出してる一番推奨値になっていますので、機能はとてもレベル高いと思います。
KWもSTもそうなのですが、一度発売されたものは廃盤率が低いので、メンテナンスで純正ダンパーが高いとかなってしまう古い車両にもXの設定があれば、使用できるのでリフレッシュにも良いですね。
そして次のXAは、Xに伸び側の減衰力が付いたものです。
同じぐ純正アッパーマウントを使用したベーシックモデルですが、機能が1WAYになっていますので、減衰力の調整が可能になっています。Xの減衰力が、自分好みになるかどうかわからないから固定式は心配だなというユーザーさんは迷わずこちらを選択してください。伸び側の減衰力調整が付くだけで、好みの乗り心地により近づいていくと思います。それと純正アッパーマウントを使用しますので、アッパーマウントからの異音も回避できますので、コンフォートユーザーや、少しでも音を減らしたいというユーザーさんには、こちらのほうが良いかなと思います。
次はXTAです。
これはトップマウントもST製のアッパーマウントが付属します。ピロボールも入っているので、しなやかに動きます。キャンバーが調整できるモデルも多いので、ワイドなホイールを装着するユーザーにも人気ですが、本来のキャンバー機能の使い方のステアリングフィール、いわゆる回頭性を良くするのにはちょうど良いアイテムで、スポーツ走行重視のユーザーさんにはうってつけの製品となっています。
1WAYの調整機能も有しており、STサスペンションの中でも非常に高い人気を誇ります。これらの機能がついてますます魅力的なプライスになっているのも人気の要因になっています。
前述通り、アッパーマウントが付いていますので(一部フロントのみ付属になっていますが)純正アッパーマウント高いしという方にも良いですね。
そして最後にXTA Plus3となりますが、こちらは少々別格のモデルになります。
KWのV3よりも調整の多い、3WAYモデルになっており、リバウンド(伸び側)とバンプ(縮み側)のハイスピードとロースピードの調整が付いています。この場合のスピードは、ショックアブソーバーの伸縮の速度となりますので、自動車の速度ではありません。その減衰力のお話はまた今度に。
今度ばっかりですが(笑)、なかなか一つの文章で書くには奥が深い話なので、またの機会に致します。覚えてしまうとそんなに難しくは無いんですけども。
さて話は戻って、Plus3は3WAYですが、3WAYなのにとってもリーズナブルなので、これもお買い得と思うユーザーさんから、ジワリと人気を博しています。
ただ、3WAYだからといって別タンクは(ほぼ)付いていません。これはヨーロッパと日本で少し感覚が違うのですが、例えば日本では高価なショックアブソーバーとしては当たり前のように別タンクが付いていますが、ヨーロッパでは、オイル容量が足りているのに別タンクにしてわざわざ重量を上げる必要はないという理由から、必要でない限り別タンクは付けません。
KWもそうですが、STサスペンションも、ショックアブソーバーにカートリッジタイプは現在使ってません。そのすべてがウェットビルドと言って、ショックケースにオイルを直接注ぐシステムにしています。なのでオイルの容量にはカートリッジ方式よりも余裕があります。カートリッジ方式をやめることで、すべてのショックケースが車種専用になるわけで、これはメーカーとしてはもの凄いコストになるわけですが、KWはあえてこの方式を選んでいます。もちろん兄弟車種は共通として使うことはあってもショックアブソーバーが汎用になることはありませんので、安心してご使用頂けますよ。
3WAYは少々調整は難しいです。
リバウンドはそうでもないのですが、バンプが少し難しい。いろいろ試してみて、好みのセットアップを決めていける人なら触っても良いと思いますが、セッティングを間違えると乗り心地を損なうこともあります。
ですが、安心してください!
KWにもSTにも、すべての減衰力調整機能付きサスペンションには推奨値という設定ありますので、迷ったら一度そこに戻ってください。これを試していただくと、この推奨値がいかに良いところを選んでいるのかわかると思います。
と長い説明を読んでもらえて、本当にありがとうございます。
4つランアップを一気に説明しましたが、正直まだまだ伝えたりません 笑
またどこかで個別に製品をより詳しく書いてみますね。
あと、KWがなぜ良いのか?ということも説明しないといけませんが、これも一度では書ききれないボリュームになると思いますので、また追々と。
いずれにしても今回のブログは、「STはコストパフォーマンスが高い製品」というお話でした。