KW サスペンションのこと

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みなさまこんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。
寒い日が続いておりますので、くれぐれもご自愛くださませ。

さて、今回は表題通りKWサスペンションのことについて、話をしていきたいと思います。
昨年2024年に、姉妹ブランドであるSTサスペンションについて少し詳しく書かせて頂きましたが、思いのほか好評頂きましたので、本流であるKWのことも書いていこうと思うわけです。
が、これはちょっと長くなりますのでシリーズにして、ひとつずつ丁寧に書いていこうと思っています。

その前に、せっかくご案内することになりますので、KWの成り立ちを少しお話をしていきたいと思います。

いまやKWオートモーティブグループは、世界14拠点で1000人以上の従業員を抱えるほどの企業に成長しましたが、先のブログにも書いた通り、社長であるKlaus Wohrfarthが1992年にたった3人で立ち上げた会社です。
当時は、KW Tuningという名前で車のパーツを販売する小さなショップとしてスタートしています。

名前の由来は、もうご理解頂いてる方もいるかと思いますが、社長の名前のイニシャルとなっています。
国によって少し呼び方は違うのですが、1998年に橋本コーポレーションが輸入を開始して、ドイツ語発音を採用してK(カー)W(ヴェー)と呼んでいました。2018年にKW AUTOMOTIVE JAPANという日本法人の発足にともない、よりわかりやすい呼称がいいよねということで英語読みのケイダブリューにしたという経緯があります。

なので、古くからご存じの方やユーザー様は今でもカーヴェーと呼んで頂くことがありますが、呼び方はどちらでも間違いではありませんが、現在はケイダブリューを主体にしてるということです。
ここ意外とどっちなの?と聞かれるのでスッキリした人もいらっしゃるかもしれませんね

これも余談ではありますが、クラウス社長のイニシャルでKWとなっていますが、もう一人重要な人物がいまして、 Jurgen Wohlfarthという人物がおります。
名前から察しの通りたいたい想像がつくと思いますが、クラウス社長の弟でヨーゲンと呼んでいます。ヨーゲンは、自身もプロドライバーであったために現在は主にKWのモータースポーツとOEの責任者をしています。

若き日のクラウス(左)とヨーゲン(右)

KWsuspensionは、そんなKWという当時は小さな会社で立ち上げた一つのプライベートブランドでした。
そのサスペンションは当時から革新的で、車高を低くしても乗り心地が良いという理由から、若者の絶対的な支持をうけ、人気のサスペンションの仲間入りを果たすことになります。
当時は日本でも輸入車用に車高調整機能が付いているサスペンションが無かったので、輸入車をかっこよく見せるサスペンションとして、人気を博したことが思い出されます。

そんなKWに、やがて転機が訪れます。
それが過去ブログにも書いた7POST RIGというシミュレーターを自社に採用したことでした。この採用で状況がガラリと変わります。車にとって本当に良いサスペンションとは何か?ということを突き詰めていたKWではありますが、この頃からモノづくりのきめ細やかさが大きく変わります。

それぞれの車両で、膨大なデータを取得して製作するサスペンションは、従来品とは一線を画した完成度を誇り、「車両性能が良くなるサスペンション」としてコアな車好きからの支持を増やし、飛躍的な成長を遂げていきます。

そしてそれと同時にKWは、ショックアブソーバーの肝であるバルブシステムを開発していき、どんどん高性能なバルブを使ったラインアップを発表していくことになりました。

KWは、現在V1~V6までのバルブシステムを生み出しておりますが、2024年には参考出品ながらV7という未知の境地へいざなうシリーズを開発しています。
この辺の内容は後日ご案内していきますので、お楽しみにしてください。

飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けるKWですが、その一端を担う存在として欠かせないのは、やはりMANTHEY-RACING(マンタイレーシング)だったのだと思います。
マンタイレーシングは、今やPORSCHE AGの一員となり、ポルシェモータースポーツの中心にいますが、当時はまだプライベートチームでした。
マンタイといえばニュル24時間レースを思い浮かべる方も少なくないと思います。
それもそのはず、マンタイレーシングは世界で最も過酷と称されるこのレースで4連覇を含む歴代最多優勝を誇っています。
このマンタイとKWのパートナーシップは古く、ニュル24時間レースに自動車メーカーの参戦が少なかった時代、どちらかと言うと、老舗レーシングチームが死力を尽くす草レースの延長と言われていたころに遡ります。

そして、この伝統あるレースでKWを装着したマンタイレーシングの車両が優勝してしまいます。
そう、何を隠そうこのマンタイレーシングの足元を支えているのがKWなのです。

このことはドイツでは衝撃的なニュースとして捉えられて世界的にも話題になっています。そしてこれがKWをレーシングサスペンションとしても世界的に認知されたきっかけともなりました。

・・・そして現在に至ります。
すみません。思いっきり端折りました(笑)
それから現在のKWサスペンションの取り組みはもう皆さんもご存じの通りです。
「海外のレースでKWのステッカーを貼った車両が走っているよ」と、こちらが教えてもらうことも多いですから(笑)

現在KWを装着したレース車両が、どのくらい世界中で戦っているか、私たちも正直知りませんが、もはや強豪サスペンションメーカーの一つとして地位を確立していることは言うまでもありません。

ということで、次回からはレースサスペンションとしてではなくて、皆さんが本当に知りたいカタログモデルとしてのKWサスペンションをご紹介していこうと思います。